お手頃ドライバーズカー選手権(3) プジョー308GTi vs セアト・レオン・クプラ
公開 : 2017.09.17 10:10
メカには満足、操作系には注文ありの308
308GTiに過去どれだけ乗ったことがあっても、異様に小さいステアリングホイールに慣れるまでにはいつも時間がかかる。これだけでも第一印象がポジティブにならないのだから、実に惜しいことだ。ほかのどのFFホットハッチに乗っても最初にするような運転だと、径の小さいリムがこのクルマを神経質で落ち着きないものに感じさせる。ただし、すぐにステアリング入力を穏やかにすればいいと気づくはずで、そうすれば、どこか壊れているのかという心配はしなくてよくなる。
プジョーのエンジンは、4気筒ターボとしては悪くない。レスポンスは問題なく、中回転域ではけっこうパワフルで、トップエンドでも活発でエネルギッシュ。ディファレンシャルはちょっと利きすぎだが、パワーを路面へ効果的に伝達し、コーナーではラインをタイトにキープする。ボディはピシッとコントロールされ、本質的なシャシーバランスは実に鋭い。フロントは粘り強く、アジャスト性は豊かだ。
公道レベルでは、このプジョーは非常にいいフィーリングなのだが、改善を望みたい点もいくつかある。たとえば、ギヤシフトはゴムっぽく、ステアリングはやや曖昧で、シートのホールドはまったく足りない。そのため、エンジンとシャシーの美点を引き出すのに、ドライバーは無駄な労力を強いられるのだ。