お手頃ドライバーズカー選手権(4) BMW M140i vs ホンダ・シビック・タイプR
公開 : 2017.09.17 17:10 更新 : 2017.09.18 14:05
飛ばすほどに見えるM140iの限界
BMWの方は、相変わらず問題ない。それは、スペック表の上だけの話ではない。着座位置は低く、ステアリングホイールはダッシュボードから大きく手前に引き寄せられる。3.0ℓターボユニットはレスポンスに優れ、スムースで小気味いい。340psのパワーは、M140iを単なる速いコンパクトカーではなく、まるでもっと大きなクルマのような速さを持ったクルマに仕立てている。
試乗車の8段ATは、これも設定されるMTほど魅力的ではなく、アップでもダウンでも、パドル操作をしてから変速まで短い間があることを覚悟しなくてはならない。しかし、エンジンの溢れるパワーとトルクを、最後の一滴まで絞り出してくれるようなトランスミッションだ。
公道でもサーキットでも、後輪駆動のバランスは約束されているが、やや攻め始めると手に負えなくなる。それは、ステアリングにフロントアクスルとのつながりの直観的な感覚がなく、どのような反応をするかはしっかりわかるわけではなく、予測するか期待することしかできないのだ。また、シャシーは決して、路面をしっかり捉えているようには思えない。