お手頃ドライバーズカー選手権(4) BMW M140i vs ホンダ・シビック・タイプR
公開 : 2017.09.17 17:10 更新 : 2017.09.18 14:05
まさかの曖昧なフィーリング
乗り心地は、ダンパーがもっともソフトなモードにあるとき以外はビジーで、そのソフトなモードでも大げさな上下動を見せる。前後左右にボディが傾き、脚が不安定なテーブルのようで、転倒することは決してないが、そうなるのではないかという不安が常につきまとう。ステアリングが不鮮明でボディコントロールがわずかに緩いため、クルマとの完璧な一体感を得ることができないのだ。しっかり把握するのではなく、ふんわり掌中に収めるという域を出ないである。
LSDがついていないことも、特に路面の湿ったサーキットでは問題だ。パワーオン時に、どのような挙動が起きるかわからないのである。コーナー出口へ思い通りに走るかもしれないし、突然オーバーステアに転じるかもしれない。負荷の抜けたタイヤが望ましくない空転をすることも、きっちり路面に接してみごとなパワースライドが決まることもある。固有の正確さがあるにもかかわらず、M140iは攻めた走りをすればするほど、満足度は低下していく。