「確かなルーツがなければ、夢は生まれない」 アバルト本社訪問

公開 : 2017.09.18 10:10

クルマ好きの原体験をつくる

Scorpionshipには、アバルトのオーナーでなくても興味があれば参加可能だ。古いコレクターや修理工場も登録しており、既に10台以上のクルマが仕上げられている。

このような活動は、古いモデルを修復する情熱と同じくらい、ブランドを磨く上で非常に重要だ。アルヴィシは「オンライン上で確認する限り、アバルトの古いモデルの価値は保たれている。その価値は、ブランドの成功にとって重要な要素です」と付け加えた。

1950年代から60年代の美しいコーチビルドモデルから、どのような成果へ結びつくのだろうか。

「この場所でクラシックモデルを見なければ、この手のクルマに憧れることもないはずです。確かなルーツがなければ、ブランドへの夢は生まれません」

「わたしたちは、世界中の国々において安定したグローバルブランドを確立し、FCAに収益を与える必要があります。イタリアでは成功しており、イギリスやドイツ、フランスでも上手く進んでいます」

「しかし、まだ多くの未開エリアがあります。これらの国々で市場シェアを獲得するため、様々な余地があると考えています。象徴的なブランドには、心に直接響く何かが必要なのです。伝統であり、未来でもあるんですね」

アルヴィシはロベルト・ジオリットのスケッチについて深く触れることはなかった。写真撮影も許されなかったが、様々なアイデアスケッチの存在は、今後のアバルトへの期待につながるものだと思った。

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