特別試乗 アバルト124ラリー 公道走れぬ2265万円、高い? 安い?

公開 : 2017.09.18 15:40

2265万円 高い? 安い?

コンサルヴォによれば、FIA R-GTクラスラリーへ出場可能なように設計しており、「新しい世代と古くからのラリーカー好きの情熱を引きだす」ことも同時に目指しているそうだ。

2シーターで2輪駆動のR-GTクラスは2011年に導入されたが該当車両がなく、2015年のFIA R-GT Cupではポルシェ997 GT3が優勝している。このクラスは2016年に休止していたが、2017年にアバルトが復活させた。

2017年はR-GTクラスに4チームのみの参戦で、車両全てがアバルト124ラリーなため不人気にもみえる。しかし恐ろしく高額となったWRCマシンと比較すると、アバルトにとってもラリードライバーにとっても、非常によく仕上がった魅力的なマシンでラリーに挑戦できる絶好の機会となり得る。開発途中の124ラリーをファクトリーで8台見かけたが、次シーズンに参戦するはずだ。コンサルヴォもライバルとの競争を望んでいる。

とはいえ、現実世界でアバルトのモータースポーツの体験をより身近にしてくれる124ではあるが、コンサルヴォが言う「ジェントルマンレーサー」、ファクトリーで仕上げられた124ラリーを手に入れるには大きな財布が必要だ。いくらかかるのか……。税別で€14万。今のレートではおよそ£155,000(2265万円)で、ファクトリー仕様の124ラリーが手に入る。

かなり高額にも聞こえるが、完成されたラリーカーとしては悪くない。ノイズとエアコンレス、内装の簡素さなどに目をつむれば、ロードカーとしても悪くはないモデルではある。

アバルトは現在、このモデルの公道仕様は考えていないようだ。コンサルヴォもメカニカルパッケージを単体で発売するとは話さなかったが、この124ラリーのサスペンションは、標準モデルと同じシャシーの固定位置に装着されている点には触れていた。

本気度の高いチューニングパーツをサソリのマークの木箱に入れて販売するアバルトの伝統を考えれば、われわれへ届けられることも期待できそうだ。

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