TVR新型デビュー記念! 過去の記憶に残るモデルを振り返る(後編)
公開 : 2017.09.17 06:10 更新 : 2021.02.17 17:44
TVRサーブラウ(1996〜2003年)
TVRを買おうというだけでもなかなかの強者だが、このサーブラウを選ぶのはその中でも極めつけの猛者だといえる。市場における信用を確立するために、TVRは長年使い続けてきた、頑丈でパワフル、しかも甘美なサウンドを奏でるローバーV8を捨てた。そうして、エキセントリックなエンジニアであるアル・メリングに依頼し、自社製V8を開発。本来はタスカン・レーサー用だったそのAJP8を搭載した市販モデルが、このサーブラウだ。
スピード8とも呼ばれたそれは、そもそもレース用に設計されたため、パワフルだがピーキーなエンジンだった。当初は4.2ℓ、後に4.5ℓが加わったAJP8は、サーブラウに並外れたパフォーマンスを与えたが、ローバーV8ほど公道走行に向いているかどうかは疑わしいところだ。しかし、それを別にすればまさにグレートな一台である。4.0ℓ直6搭載モデルも追加設定されたが、V8の方が一般的。価格は£16,000(241万円)からといったところだが、金額はコンディションによる上下が大きい。