モントレー・モータースポーツ・リユニオン ハッキネン、McLaren M23デモラン

2017.08.17-20

モントレーにおけるクラシックカーイベントの原点となったのが、ラグナセカレースウェイを舞台にした当時世界的に珍しかったヒストリックカーレースです。新旧様々のマシンが本気で走る姿を見れば、モントレー・ウィークがここから始まったことが理解できます。

text & photo:Motohiro Yamazaki(山崎元裕) photo:Yasuhiko Sato(佐藤靖彦)

伝統のラグナセカは健在

モントレー・モータースポーツ・リユニオンの舞台となる、マツダ・レースウェイ・ラグナセカは1957年にオープンしているから、2017年はそれから60周年というアニバーサリーイヤーにあたる。それを象徴するかのように、パドックには60周年を祝するための特設テントが設けられ、その中にはラグナセカで1957年に最初のウィナーとなった、フェラーリ250TRなど、サーキットの歴史を華やかに彩ってきたモデルがディスプレイされていた。


かつてはよりシンプルに、モントレー・ヒストリック・オートモビル・レースと呼ばれていたこのイベントは、クラス分けされたクラッシックカーによる本格的なレースイベント。今年は、
・1940年以前のスポーツレーシング&ツーリングカー
・1927年〜1951年のレーシングカー
・1955年〜1961年のスポーツレーシング(オーバー2000cc)
・1973年〜1981年のFIA、IMSA GT、GTX、AAGT
・1947年〜1955年のスポーツレーシング&GT
・1970年〜1984年のスポーツレーシング(アンダー2000cc)
・1963年〜1973年のFIAマニファクチャラーズ・チャンピオンシップ
・1981年〜1991年のIMSA GTP
・1955年〜1962年のGT
・1958年〜1960年のフォーミュラ・ジュニア(フロントエンジン&ドラムブレーキ)
・1961年〜1963年のフォーミュラ・ジュニア(ディスクブレーキ)
・1961年〜1966年のGT(アンダー2500cc)
・1963年〜1966年のGT(オーバー2500cc)
・1955年〜1961年のスポーツレーシング(アンダー2000cc)
・1973年〜1991年のIMSA GTU、GTO、Trans-Am
という、トータルで15のクラスによるレースが行われた。


アメリカで開催されるクラッシックカー・レースということもあり、やはり観客の注目が集まるのは、シェルビーのコブラやGT350、あるいはシボレーコルベットカマロといった人気モデルが、1960年代さながらに激しいバトルを繰り広げる、GTのオーバー2500ccクラス。そしてやはりアメリカのモータースポーツを華やかに彩ってきた、IMSAやTrans-Amといったカテゴリーを再現したクラスだ。

今年フィーチャーされたフォーミュラ・ジュニアも、その人気は高く、プラクティスからクオリファイ、そして各クラス2回のレースのすべてを観戦すれば、レースウィークの4日間はすぐに終わってしまう。毎年このイベントだけを見るためにモントレー・カーウイークを訪れるゲストが多いのも、十分に納得できるところだ。

フェラーリ70周年記念は実現できず

今年はフェラーリの創立70周年を記念して、モントレー・モータースポーツ・リユニオンにも多くのフェラーリがエントリーするものと期待されたが、残念ながらフェラーリは、このイベントにはごく少ない台数が姿を現したのみだった。かつてフェラーリ250GTOが50周年記念でフィーチャーされた時のような、感動的な光景を目にすることができなかったのは、ファンには残念なことだったに違いない。今年のポスターに描かれていたのはもちろんフェラーリ。オーガナイザーもフェラーリを集めることには相当に積極的だったはずだったのだが。

 

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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