ケイマンGT4 vs MRスポーツのランドマーク 前編
公開 : 2017.09.16 19:10 更新 : 2017.09.17 13:26
ミッドシップ・ポルシェの傑作との呼び声高いケイマンGT4。しかしその実力は、将来も特別視されるものなのでしょうか。20~30年を経てなお伝説的に語られる2台のミッドシップとの比較で、その可能性を探るテストを、前後編でお届けします。
もくじ
前編
ー 5つ星のケイマン、数十年後も特別か
ー 欧州を震撼させた日本の雄、NSX
ー マラネロの新世代の開拓者、F355
ー 最新か伝説か 同じ予算で選ぶなら…
ー 進歩する技術と時を超えるオーラ
ー 初期のデジタルと熟成のアナログ
ー 機械の不備を忘れさせる跳ね馬の官能性
後編
ー 高品質でカリスマ性も備えるフラット6(9月17日公開予定)
ー 史上屈指のハンドリングマシン、NSX(9月17日公開予定)
ー 繊細にしてリラックスした日本製スーパースポーツ(9月17日公開予定)
ー 活気はあるが古典的なF355(9月17日公開予定)
ー 先例たちとは異なるバランスが印象的なGT4(9月17日公開予定)
5つ星のケイマンは数十年後も特別か
ポルシェ・ケイマンGT4は今年、忘れられない強い印象を残した。路上とサーキットでの走行テストや動力性能の計測で5つ星を獲得し、£100,000(1505万円)以内のスポーツカーの中でのベストという結論に至った。
イギリスにおける今年のベスト・ドライバーズカーの候補としても十分だ。その選考も近づいてきた中で、過去のライバル2台と比較しながら、少し冷静に判断してみたい。
まず今回明らかにするべきテーマは、このクルマがどれほど素晴らしいのか、その印象はどれほど強いものかを確認することだ。2015年に待ち望んでいたGT4というクルマが、2025年や2040年にも「世界基準」「ジャイアント・キラー」「ランドマーク」だったと評価できるだろうか。
これらの答えは新しい流れを生むと共に、今後20〜30年、普遍的なスポーツカーの意味付けを行うことでもある。20年前は珍しくなかったリトラクタブル・ヘッドライトやカセットデッキなどは、今となっては古いロックバンドを録音したカセット・テープと同様にレアな存在となってしまったが。