新参SUV対決 アルファ・ステルヴィオ vs ジャガーF-PACE 前編

公開 : 2017.09.17 14:10  更新 : 2017.09.19 14:44

広さは同等 質感は大きく異なる

この2台に代わるがわる乗り込んでみると、ジャガーの方が大きく、着座位置が高いことと、アルファ・ロメオが優れたパッケージングの恩恵で、どうにかジャガーと渡り合える室内スペースを得ていることに気付く。だが、大きくなった子供がいるか、成人の同乗者を迎える機会が多いなら、より快適な後席と大きな荷室による実用性を理由にF-PACEを選ぶだろう。しかし、それ以上にステルヴィオの後席が思った以上に低く、ひざを曲げて乗らなければならないことによる消去法という色合いが強い選択だ。

前席は、プラスティックやレザーといった素材をはじめ、装飾やスイッチなどに至るまで、アルファ・ロメオのチョイスに面目を損なうようなものは一切ない。しかし、F-PACEのそれらと比べると、この2社のうち1社の方が、完全なプレミアムカーのメーカーになろうという過程において、もう一方に驚くほど水を空けられていると認めざるを得ない、その証拠を見つけるだろう。

2010年代前半は、ジャガーX-タイプの見掛け倒しなキャビンのクオリティと、当時のBMWアウディメルセデス・ベンツのそれを比較し、ジャガーはこの先、ドイツ勢との格差を埋めることはできないのではないかと疑ったものだ。

ところが、ジャガーはそれをやってのけた。たぶん、完全には埋まっていないが、間違いなくその差は取るに足らないほど縮まっている。少なくともその個性でジャガーを選んでもいいと思えるくらいにはなっている。(後編に続く)

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