新参SUV対決 アルファ・ステルヴィオ vs ジャガーF-PACE 後編
公開 : 2017.09.18 11:40 更新 : 2017.09.19 14:45
アルファの物足りないプレミアム性
ステルヴィオのキャビンは、定番のプレミアム勢に追いつくには明らかに不足があり、それはかつてのX-タイプの域にも届かない部分もあるが、逆に同等のレベルに達している部分も多い。フロントシートは非常に快適で、操作系は適切にレイアウトされ、計器類は鮮明で読みやすい。
しかし、一体成型される部分はあまりなく、ジャガーでは耳にしないようなきしみ音が発生する。フィニッシュはキメが粗く、レバーやダイヤル、ボタンのフィールはどれもチープで、レザーシートのタッチも心惹かれるものではない。
乗って移動するための場所としては、ステルヴィオの内装はジュリアがそうであるのと同様に的確だ。高級感が足りないかわりに、必要なアイテムを完備し、当たり障りなく、上昇志向で造ろうとしたことがうかがえる
2台を近くに置いてアイドリングしていると、アルファの2.1ℓエンジンにはかすかな振動音があるが、それもより静かなジャガーと並んでいるから気づくようなもの。それは、車内にいたり走らせてみたりしても、F-PACEの方が機械的に洗練されていることを示唆するようだが、実際のところアルファのディーゼルは、常識的な速度域で流していると実に落ち着いたものである。