お手頃ドライバーズカー選手権(5) 決勝戦
公開 : 2017.09.18 17:40
最新は最良だった
しかし、シビックRの視界がかすむようなスピードや強力なグリップ、勢いとエキサイティングさをもってすれば、ほとんどの道を制することができる。コーナーはほぼすべて、攻めたライン取りや挙動のアジャストを楽しむチャンスに思えるだろう。その時、満面の笑顔浮かべさせる愉快さは、ほかの3台に日々乗っていても得られることのないものだ。
公道とサーキットを含め、3日間に及んだテストの全日程を終えて、参加したテスター陣は満場一致で結論を下した。ゴルフRは広い意味でベター、A45はより速く、308GTiは他車に見劣りする。ドライバーズカーの王者にふさわしいのはシビックだ。ライバルたちが小規模なマイナーチェンジを施す中、新たに登場し、先代から飛躍的な進化を遂げたそれが、2017年のベストだったのである。
ちなみに、サーキット最速はアウディ
南ウェールズのスランドウ・サーキットでは、GPSを用いた厳密なタイム計測を実施した。その結果として見えた今年の傾向は、4WD優位という予想通りのものだった。
0-97km/h加速タイムが二駆で唯一5秒を切ったのは、BMW M140iだ。FFでは、ホンダ・シビック・タイプRがギリギリ5秒台に入っている。
奇妙なのは、ローンチコントロールが4WDのクルマにしか装備されていないこと。むしろ二駆の方が、その恩恵を必要としているように思うのだが。なお、0-100mph(0-161km/h)タイムのないクルマもあるが、計測したストレートの範囲内で160km/hを超えることができなかったためであることをお断りしておこう。
ラップタイムで、もっとも目を引くのはシビックだ。パワーに劣るFFが、より強力な4WDと同着なのである。逆に残念だったのはレオンで、こちらはテスト開始早々にクラッチが滑ってしまった。もしも万全な個体で臨んでいれば、少なくとも加速タイムではプジョーを上回っただろう。