ヨークシャーからル・マンへ ジネッタの野望、ファクトリー訪問で明らかに
公開 : 2017.09.23 18:40 更新 : 2017.12.14 12:31
英国車ファンにはおなじみでしょうが、それでも日本ではマイナーな存在といえるジネッタ、そのファクトリーをスティーブ・クロプリーが訪問。近いうちにル・マンで活躍するかもしれないマシンの、開発状況もお伝えします。
もくじ
ー 混戦のル・マンを英国車が制すか
ー 狙うはレギュレーション変更前の勝利
ー TVR買収目前だった過去も
ー 白紙から再スタートしたジネッタ
ー ロードカー生産拡大にも関心
ー 目指すはル・マン制覇
混戦のル・マンを英国車が制すか
もしジネッタが、同社の新型レーシングカーの出走を、計画どおりの来年ではなく2017年としたら、ヨークシャーのスポーツカー・メーカーは、今年のル・マン24時間耐久レースで勝利を収めていたかもしれない。
ハイブリッド・パワートレインに課された複雑なレギュレーションの余波により、今年のル・マンは優勝候補のチームが本来の実力を発揮できず、終始混乱したレースとして記憶されるであろう。
一方で、レギュレーション上の下位クラスであるLMP2クラスのレースカーは、上位クラスのポルシェを含むLMP1クラスのレースカーを凌ぐ活躍をみせ、優勝した919ハイブリッド以下の2位から7位をLMP2クラスのレースカーが占めることになった。
今年のレースで、LMP1クラスのリーダーが持てる実力を発揮できたと仮定した場合、ジネッタの最新テクノロジーで武装したノン・ハイブリッドLMP1レースカーに勝利の見込みはなかっただろう。しかし、多くのLMP2レースカーや、問題を多く抱えたポルシェを凌ぐ結果を残すことはできたかもしれない。ジネッタのオーナーであり、2006年のGT2クラスの優勝を含む輝かしいレース・キャリアを有するローレンス・トムリンソンのル・マンに対する情熱を考えたら、そうなっていたのではないだろうか。