ヨークシャーからル・マンへ ジネッタの野望、ファクトリー訪問で明らかに
公開 : 2017.09.23 18:40 更新 : 2017.12.14 12:31
狙うはレギュレーション変更前の勝利
他のプロフェッショナルと同様、2022年のシーズンから発動する新しいレギュレーションが2020年に発表されると予想するトムリンソンは、勝機は熟したとみなしている。おそらく新しいレギュレーションは、ハイブリッド・パワートレインを強要し、そしてプジョーを呼び戻すことになるであろう。しかし、その前にヨークシャーのスポーツカー・メーカーが勝利を手に収めることができる可能性が存在する。
彼らはすでに、メカクローム製のパワートレインを装備したレースカーのテストをウイリアムズの風洞トンネルで繰り返し行い、このレースカーで出走したいという多くの潜在顧客を開拓している。
59年間に渡って、将来有望な14歳のドライバーから、シボレーのV8を搭載することを要求する本格的なプロまで、多くの層にシンプルなフロントエンジンのレースカーを提供してきたこの会社にとって、この決断は大きい。現在のジネッタは、少なくとも5つのチャンピオンシップに参戦しており、素晴らしい結果を記録している。
トムリンソンは、ウエストヨークシャーのバトレーで生まれ、学校卒業後はエンジニアの職に就いた。しかし、彼のキャリアは、その始まりからある情熱によって支配されてきた。尽きることのないクルマ(と、近年はヘリコプター)への情熱と起業家精神である。23歳の時に銀行から£50万の融資を受けて、彼の両親が所有していたケア・ホームを買収することをきっかけに、不動産ポートフォリオを構築し、売買を行ってきた。同時に建築業やソフトウェア業にも投資をしてビジネスの底上げを行い、2011年にサンデー・タイムスは、彼の資産を£5億5000万(約782億円)と見積もっている。