ヨークシャーからル・マンへ ジネッタの野望、ファクトリー訪問で明らかに
公開 : 2017.09.23 18:40 更新 : 2017.12.14 12:31
白紙から再スタートしたジネッタ
トムリンソンは、「TVRの為に何かできたかもしれない」と思う傍らで、ウィラーとの契約が破談したのは、何かの恩恵だと感じていた。「破談したお陰で、厄介な問題を抱えることにはなりませんでした」。
「ジネッタは白紙の状態でした」と彼は言う。リーズを拠点とするこの会社の利点のひとつは、ジネッタ・ジュニア・シリーズだという。2003年に始まった同シリーズは、ダンロップMSAブリティシュ・ツーリングカー・チャンピオンシップの傘下で、定期的に開催され、若いドライバー達の登竜門となり、この会社に「僅かな収益」で貢献してきた。
2005年当時を振り返り、トムリンソンは、彼がそうなるべきと考えていた姿から「少し遅れていた」と認める。しかし、当時の彼らが、1920年代以来最大の不景気に直面していたことも忘れてはならない。「しかし、わたしたちはクルマを造り続け、スターティンググリッドへ送り続けました。わたしは、それこそがチーム・ジネッタが一丸となって成し遂げた、素晴らしい功績と考えています」とトムリンソンは付け加える。
トムリンソンは、古典的な運転技術に価値を見出している。そのことが、電子制御を伴ったハイパワーなクルマに彼があまり興味を示さない理由でもある。レースにおいて、それらがドライバーをなまくらにすると彼は信じている。「プロとジェントルマン・ドライバーが、まったく同じところからブレーキングを開始します。そこには運転技術がどうこうという余地はありません」
同じことが、トラクションコントロールやトルクベクタリングにも言えるといい、「競争の世界で自動運転を導入するようなものです。ロボ・レースが、それらにふさわしい場でしょう。レーシングカー同士で競わせればいいのです」