ヨークシャーからル・マンへ ジネッタの野望、ファクトリー訪問で明らかに

公開 : 2017.09.23 18:40  更新 : 2017.12.14 12:31

ロードカー生産拡大にも関心

ジネッタは、ロードカーの生産も諦めたわけではないという。しかし、リーズの東側にあるモダンな工場を訪れると、そこがレーシングカーに特化した場所であることに気が付く。ただし、そこで造られたもののいくつかは、ロードカーとして登録することも可能である。


ロードカーとレーシングカーを併せた年間生産台数は、以前は200台ほどであったが、今では120台から150台程度だという。すべてはハンドメイドで造られ、エントリー・モデルは購入しやすい価格設定であるが、高性能モデルは2800万円以上する。

2011年、ジネッタは同じ英国の小規模スポーツカーメーカーであるファービオを買収。彼らが生産していたGTSを、大金を投じて改修し、ジネッタG60として送り出した。しかし、高い評価と目を引く意匠に反して、販売は芳しくなかった。トムリンソンは、今でもロードカー事業のてこ入れを考えている。彼は起業家精神の強い人物であり、しかも由緒ある歴史を掲げた他の英国車メーカーの調子は良い。

「わたしたちはまだこのプロジェクトに手を付けたわけではないし、公表する具体的な計画もありません。しかし、ロードカーには大きな関心を持っています。非常に難しいのは、ひとびとがどんなクルマを求めているかを見抜くことです。何故なら、彼らはそれが何なのかわかっていないからです」

今のところトムリンソンは、市場の好評価を受けるロードカーを試乗し批評することで、情報を集めているという。

もしジネッタが玄人好みのロードカーを造るとしたら、それは軽量で俊敏、難解でなく妥協のないドライビングプレジャーを追求するものになるだろう。そのクルマのキャラクターを表す上で、最後の項目がもっとも大切であると彼は主張する。

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