VWパサート、ディーゼルよりガソリン? 1.4ℓの150psに試乗

公開 : 2017.09.22 21:15

エンジンは柔軟 乗り心地は不満

1.4ℓエンジンは、アイドリング時と巡航時には特に静かだ。低回転域では若干戸惑いを覚えるものの、2000rpmから4000rpmへかけての常用トルクは素晴らしく、5000rpmまで常用域は続く。それ以上の使用も可能ながら、勢いの低下は若干みられる。

常識的な使用範囲であれば、このクルマはとても躾が行き届いており、柔軟性のあるエンジンは、追い越しでの苦労も皆無である。高速道路での快適なドライブを約束する力強さも備える。

実際の燃費は、高速巡航で14km/ℓ台を達成する程度なら容易だ。しかし、積極的な運転をした場合、この数値はディーゼル車のそれと比べ急速に低下する。

倹約家に朗報なのは、このクルマはドライバーを刺激するようなクルマではないということ。以前テストした車輛では、オプションで装着できるダイナミック・シャシー・コントロールのアダプティブダンパーの効用を主に試した。

英国の公道で通常のシャシーに大きいサイズのアルミ・ホイールを装着したモデルをテストするのは、恐らく今回が始めてだが、英国の典型的な公道において、ソフトな乗り心地と期待される衝撃吸収をみせた。一方で、やや俊敏性には欠けるこのシャシーは、器用さと洗練性に少欠けている。

このクルマは、高速道路においても多少ふらつくことがある。それは、洗練性を欠いたダンパーの初期反応や、姿勢を穏やかに保つことができる適切なスプリングの不在によるものだ。

今日のフォルクスワーゲンの各モデルがそうであるように、このクルマも、技術を駆使してドライバーの快適性を追求している。しかしそのハンドリングは、正確性でも、洗練度でも、同じクラスのライバルに比べて劣り、鞭を入れた時の剛性感にも疑問が残った。

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