高級SUV対決 ヴェラールとドイツの強敵、Q7/カイエン 前編
公開 : 2017.09.23 17:10 更新 : 2021.04.13 18:04
変わらぬ質感と変わる雰囲気
高級車としての雰囲気に話を移すと、また状況は変わってくる。Q7は、ヴェラールの及ばないものを持っているのだ。それはインテリアの完全さと基本的なクオリティで、これは絶対的に文句なし。部分的に用いられた御影石のようなマテリアルには、ただただ驚かされるばかりだ。
センターコンソールのクロームトリムなど、キッチンの調理台よりもしっかりと据え付けられているように見えるほどだ。大部分の仕上げには一貫性があり、薄っぺらさや粗さ、硬さや見栄えの悪さを感じさせるものはそこにはなく、それこそがこのクルマの特長だといえる。
そうはいっても、実にスマートで極めてソリッドな半面、豊潤さには欠けるのがQ7の内装の仕立てだ。これがヴェラールだと、優美で、手触りがよく、ずば抜けてスタイリッシュなインテリアであるのが明らかに感じられる。
今回の試乗車としてアウディが用意したのは、装備レベルの低い仕様で、その樹脂素材むき出しのダッシュボードやダークカラーのレザー、クロームの装飾は、ヴェラールの革張りダッシュボードや明るい色の組み合わせに肩を並べる豪華さを醸してはいない。
もっと高級なトリムのQ7ならば、この比較はよりフェアなものになるだろうが、今回の仕様を見る限りは、ビジネスライクなものに感じてしまう。これがヴェラールならば、オフィスよりも特別な場所に連れて行ってくれそうだ。