深掘り マクラーレン570Sスパイダー クーペとスパイダーはここが違う
公開 : 2017.09.23 19:10 更新 : 2017.09.23 19:11
デザイン
570Sスパイダーのスタイリングは570Sクーペのイメージを引き継ぐが、仔細に見てゆくとAピラー以降は全くの別物といえる。クローズド状態では少々わかり難いがオープン状態にするとスパイダー独自のデザインが見えてくる。
前席の後ろには’50年代のスポーツカーに採用されていたヘッド・フェアリングを思わせる造形を採用。この部分は格納したリトラクタブル・ルーフのフタの役目も兼ねる。リアクオーター・ウインドウはオープン化により廃されたが、デザイン的にラインがアクセントとして残されている。
クーペのクオーター・ウインドウとリア・ウインドウは連続した構造で、Cピラーは独立した「フライング・バットレス」呼ばれる造形が特徴だった。スパイダーではフェアリング風のデザインとなったため、クーペにあった「フライング・バットレス」セクションが発生するダウンフォース量が低下している。
そのため、スパイダーではリアエンドに備わるダックテール型のスポイラーを12mm高めて、減少したリア・ダウンフォースを補い適正な空力バランスを得ている。
リトラクタブル・ハードトップ
570Sスパイダー最大の特徴がリトラクタブル・ハードトップだ。マクラーレンのスーパーカー・レンジで既に使用されているものと同じメカニズムを持つリトラクタブル・ハードトップが570Sスパイダーに採用された。
キャビンのスイッチひとつで操作でき、開閉時間は15秒。時速40km以下であれば走行中でも開閉を行うことができる。もちろん高い耐候性を備え、あらゆる状況下でもキャビン内は快適に保たれる。
オープンモデルの宿命といえる車重の増大は、570Sスパイダーでは570Sクーペに較べて63kgに留められている。これは剛性が極めて高いF1テクノロジー直系のカーボン製モノセルIIシャシーによるところが大きい。そのためシャシー側の補強は無く、増加したのはリトラクタブル・ハードトップのメカ部分とトリムがほとんどになる。