往年の名車 vs 現代の量販車(4) CLK63ブラックシリーズ vs C63 Sクーペ
公開 : 2017.09.24 12:10
ドイツのプレミアム御三家からエポックメイキングなモデルを選抜し、最新のカタログモデルと比較するこのテスト。トリを務めるのは、発表当時センセーションを巻き起こしたブラックシリーズの代表格と、最新世代のAMGです。10年の差は、いかなる変化をもたらしているのでしょうか。
もくじ
ー 高性能メルセデスのマイルストーン
ー ブラックシリーズはAMG版GT3
ー 負けず劣らず高性能。しかもリアシート付き
ー 万能性には隔世の感あり
高性能メルセデスのマイルストーン
30年間の開発の積み重ねが生んだ違いが、どのようなものかはよくわかった。そして、今日では当たり前のことが、世代を遡れば途轍もないものだったのにも、もはや驚きはしない。そこで、次なる比較は、世代差をもっと縮めてみようではないか。そう、10年にまで。
2007年に登場したCLKのブラックシリーズは、1950年代のガルウイング以降、メルセデス・ベンツが試みてこなかったような方法でパフォーマンスカーを造ろうとしていることを、明確に示した最初のクルマだ。ブラックシリーズを名乗ったのはSLK55のそれが最初だったが、そのクルマにはあまり触れない方がいいだろう。また、当時最速のメルセデスはSLRマクラーレンだったが、欠点も多かった。
CLK63ブラックシリーズの意義は、その名にふさわしい初めてのクルマであり、先頃デビューしたハイパーカーのプロジェクト・ワンに続く道筋を築いた点にある。また、どのような基準に照らしても、これは過激なマシンだ。