レンジローバー似? 中国のSUV「長安CS55」試乗 実力、低からず
公開 : 2017.09.24 19:40
中国の長安汽車。初めて欧州市場への投入が予定されるSUVですが、商品力や走りは十分なレベルにあるのでしょうか。
もくじ
どんなクルマ?
ー 中国第3位のメーカー 欧州へ
ー 安全性を強調 オンロード重視
どんな感じ?
ー 試乗 エンジニアリングに驚く
ー 刺激はないが、よくできている
「買い」か?
ー 日本/韓国から学ぶべきこと
どんなクルマ?
中国第3位のメーカー 欧州へ
中国第3位の自動車メーカー、長安汽車が英国に初めて投入することになりそうなモデルは、5座SUVの「CS55」だ。
長安は国営企業で、国内ではフォードやマツダ、プジョーとの合弁事業を展開。そして最近では、英国をはじめとする欧州市場への進出に着手している。
自社ブランドでは17車種を設定するが、その最新モデルが今回のCS55。中国でも急成長を見せている小型SUVマーケットをにらんで、今年4月の上海モーターショーでデビューした。
サイズ的にはフォード・クーガと同等で、ベースとなるのは新設計の前輪駆動車用プラットフォーム。これは新型セダンとの共用を前提に開発されたものだが、長安にとって初めての、複数モデルでシェアするアーキテクチャでもある。
スタイリングは、トリノにある長安のデザインスタジオなどが手掛けた内製だが、ランドローバーの最新ラインナップと似通って見えるようにも思われる。
安全性を強調 オンロード重視
エンジンは1.5ℓのガソリン直4ターボで、吸排気両方に可変バルブタイミング機構を備え、最高出力156ps/5500rpm、最大トルク22.8kg-m/2000〜4000rpmというスペック。試乗車は、これにアイシンAW製6段ATを組み合わせた仕様となる。
サスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンクで、前後にスタビライザーを装備。フロントのサスペンションは、エンジンとともにサブフレームへ設置する方式だ。ステアリングは電動パワーアシストで、ブレーキはフロントがベンチレーテッド、リアがソリッドのディスク。こうしたエンジニアリングを見るところ、オンロードでの洗練性を追求した設計だと予測できる。
ユーロNCAPのバリア衝突テストに供された旧来モデルの成績がさんざんだったため、中国車の安全性に不安を抱くユーザーは多いだろうが、長安はこの悪い印象の払拭にも積極的だ。
中国にもNCAPは存在するそうで、ユーロ基準と同等だと主張しているが、CS55はそのテストで、5項目での5つ星獲得が見込めると、長安の安全性部門のチーフである趙ホイは述べる。
主要部品の多くは、日本や欧州のサプライヤーが中国で現地生産しているものを調達している。タイヤはコンチネンタル・クロスコンタクトの225/55R18で、これはメイド・イン・チャイナだが欧州向けスペックだ。
はたして、長安のエンジニアたちは、そうしたコンポーネンツのカクテルを、信頼性あるSUVに仕上げることができたのだろうか。