シボレー・コルベット・スティングレー vs ジャガーE-タイプ vs トヨタ2000GT(1)
公開 : 2017.09.26 18:40 更新 : 2017.09.27 20:48
いいところ、悪いところ
ライバルに比べると野性的な性格なのは確かではあるものの、「マッスルカー」という意識を捨て去れば、ヨーロッパのグランドツアラーよりも手に入れやすいスポーツカーである、という結論に達するかもしれない。
ボンネットは大きく隆起しているが、フロントの視界は意外にも広いし、ヘッドライトから後方に両サイドが盛りあがっているお陰で、狭い道でも感覚が掴みやすい。
キャビンは想像より遥かに広く、大きなブート・スペースは中からもアクセスできるので便利だ。ただし惜しいのはインテリアのフィニッシュの粗さ。コンケーブした3本スポークに組み合わさるウッドのステアリングは非常に見事なのだが、クロームの代わりに配された安っぽい黒いプラスティック素材は、GTカーの風格を明確に損なっている。
嫌なことを忘れるにはエンジンに火をいれるしかない。
L75型「ファイヤー・ターボ」327は、65年に用意された6種類のエンジン・ラインナップのうち下から2番目のグレードであるものの、最高出力は304psを発生(最も高出力の「ビッグ・ブロック」エンジンは431ps)、この記事で取り上げる3台の中では最もパワーがある。
アクセルを踏み込んで、加速で顔を引き攣らせるには事足りる出力だ。
静止状態からの加速でも5000rpmまでは難なく回っていく。前方のV8は単に闇雲に騒ぎ立てるのではなく、そこには「的確」で「知的」な力強さがある事に驚いた。
また不安になるほどトルクフルであることもお忘れなく。複雑さなどどこにもない楽しさ。シボレーの提唱する面白さはいつだってシンプルなレシピによって作り上げられるのだと感じた次第だ。まさに60年以上続いたフラッグシップの真髄に触れたのである。
もしコルベットに乗った後に、もう少し洗練されたクルマを欲するならばジャガーE-タイプの出番だ。
(2)につづく
モデル名 | シボレー・コルベット・スティングレー(1963〜1967年) |
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生産台数 | 45546台 |
シャシー | スチール |
エンジン | OHV8気筒5356cc |
エンジン配置 | フロント縦置き |
駆動方式 | 後輪駆動 |
最高出力 | 304ps/5000rpm |
最大トルク | 49.8kg-m/3200rpm |
トランスミッション | 4速マニュアル |
乾燥重量 | 1383kg |
0-97km/h加速 | 7.5秒 |
最高速度 | 198km/h |