狙うは欧州市場? BMW意識の高級版ヒュンダイ ジェネシスG70試乗記

公開 : 2017.09.29 11:10

乗り心地も☓ 走りは仕様による

G70が提供したいのは、従順さや快適さだという。それでも、5段階のうちでもっともダイナミックな走行モードを選べば、スポーティさや運転に熱中できる一面も引き出せるように意図されている。それがエコ/スマート/スポーツ/コンフォート/カスタムのうちのどれかは、説明するまでもないだろう。

われわれが試乗した韓国仕様車は、小さなバンプは効果的に吸収するが、大きなアンジュレーションに出くわすと落ち着きを失い、減衰コントロールの欠如を露呈する。

一方で印象的だったのは、ロードノイズの抑えっぷり。その点ではドイツ車の先を行き、日本車並みの完成度に達している。だが、電動アシストのステアリングには重さの一貫性がない。

中立周辺は軽く、回していくと不自然な重さが発生する。とくに、スポーツモードではその傾向が顕著だ。重さが増してフィールも高まるのなら歓迎できるが、残念ながらそれはない。

北米仕様のプロトタイプにも試乗したが、こちらは後輪駆動で、G70ダイナミックと銘打って販売される見込み。サスペンションを締め上げ、ステアリングのマッピングを変更し、大型化したブレーキとミシュラン・パイロットスポーツ4を装備した仕様で、韓国仕様より優れた身のこなしとドライビングに熱中できるキャラクターを示した。

ターンインのレスポンスが改善され、コーナリング中の適切なグリップとボディコントロールの向上、シャープな制動が感じられたが、乗り心地のよさは損なわれているとも感じた。

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