「小さくない」ミニの時代 歴史上の反省、今後の野望は? インタビュー

公開 : 2017.09.30 10:10

増やしすぎた派生車種 イメージの転換

「われわれは驚くほどの派生車種を生みだし、それらは国内市場だけを考慮したものではなく、国際市場を意識しました。そして、ミニはシリアスなブランドとして確立したのです」ブラウンリッジは、続ける。

しかし、続く言葉は厳しいものであった。「ちょっと気転の効いた風変わりなブランドが、いってみればもっとシリアスなブランドへと舵を取った時、逆風が吹いてきます」

「われわれの広告は、見方によってはとても軽薄なものでした」

「その結果、われわれの顧客は絶大なブランドへの親和性を感じ、一方で、特定の顧客層からそっぽを向かれてしまいました。われわれは袋小路に追い詰められ、打開策を講じなければなりませんでした」

ミニのプロダクトレンジの構成にも修正の必要があった。

「われわれは、当時7種類の車種をラインナップしていました。全てがスモールカーのクラスです。イギリスで成功し、世界的にも顧客獲得に成功していましたが、同時に失う顧客もいました」

気が付かないひともいるだろうが、ロゴにも少し手が加えられている。少なくとも、ブランドのコミュニケーションに関するCIや、ショールームにおけるクルマの見せ方、感じさせ方を刷新している。

「ショールームは、以前のようなナイトクラブの様相ではなく、アップルストアのような雰囲気を目指しました」とブラウンリッジ。

今回のアクションは、メッセージというよりも再出発というべきであろう。「現行のハッチバック・モデルを手始めに、商品性を高めて提供を始めています」

それでもなお差別化は高度に維持されており、豊かな個性を有する。なによりもミニの遺伝子は明確に織り込まれている。

次の一手は、5ドアモデルである。

おすすめ記事

 

人気記事