お金をかけないリッチライフ(1) アストン マーティンDB7
公開 : 2017.09.30 15:40
「美人コンテストでは1位」
かつて「オールドアストン」と陰口を叩かれたDB7は、確実に値上がり傾向にある。例えイアン・カラムのしなやかなラインがなかったとしても、そうなっていたのだろう。なぜなら一時は不評だったDBSも、結局は受け入れられるようになったのだから。
DB7をほかのGTと比べてみると、果たしてどんな結果になるだろうか。
荒々しい外見のV8モデルを経て、アストン マーティンがかつて1950年代、60年代にDBで築いた栄光の日々をDB7は蘇らせた。1994年にMotor Sport誌は、「美人コンテストでアストン マーティンを負かすクルマはいないだろう」と記している。今でもそれは変わらない。
DB7の4年後にはマセラティ3200GTが登場するが、この2台のうち、美しいクルマとして認められたのはDB7の方だ。DB7はアストン マーティンを救い、このモデルのお陰でアストンは新世紀へと突き進み、それまで数十年間続いた財政難をひとまず棚上げにすることができたのだ。
筋肉質なフロントエンドはスーパーレッジェーラ世代のモデルを思い起こさせ、マツダ323Fのテールライトを装備したリアはやや迫力に欠けるにしても、華麗なラインがそんな弱点を忘れさせる。
キャビンはバールウォールナットで仕上げられ、シートはコノリーレザー張り、カーペットはウィルトン織りだ。£78,500(1020万円)を気前良く使う初代オーナーも納得の仕上がりだろう。ジャガーXJSをベースにするため、圧迫感もなく、贅沢さで包み込むような快適性を味わえる。