アルファ・スパイダーの系譜を探る(1) ジュリエッタ・スパイダー 試乗記

公開 : 2017.10.01 15:40

誰だってハンサムな女たらしになる

走り始めると、「もうひとつキャブレターがあれば」と思うが、5速が欲しいとは感じない。そこまでエンジンにパワーがないからだ。

1基だけのソレックスが吸気を制限するおかげで、加速感はリニア。スロットル操作に対するエンジンの反応は鈍い。それでも、たったの66psにしては上出来だ。

フルシンクロの4速ギアボックスを活かして、そのパフォーマンスを容易に引き出せる。時代を感じさせるのは、ブレーキの柔らかなタッチだけだ。

後の時代のオープンカーに比べても、スカットル・シェイクが少ないのは印象的である。深いサイドシルのおかげで、事実上シェイクはないと言えるほどだ。ハンドリングはまったく寛容で、これに乗ればどんな不細工な男でもハンサムな女たらしに見えそうなぐらい素晴らしい。もっとパワフルなヴェローチェなら、それはもう抗し難いほど素敵だっただろうと思う。

しかし、いくらジュリエッタスパイダーが魅力的だからといっても、美しいデュエット(シリーズ1の105系スパイダー)を無視することはできない。

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