アルファ・スパイダーの系譜を探る(2) シリーズ1/2 試乗記
公開 : 2017.10.02 11:40
アルファ・スパイダーの特集(2)です。シリーズ1とシリーズ2には、どのような違いがあるのでしょうか。またどちらがよいのでしょうか。少々マニアックかもしれませんが、1度は目を通しておくべき記事でしょう。
もくじ
ー シリーズ1のなかでも希少な1300ジュニア
ー インテリアはシンプル 「ボートテール」に注目
ー シリーズ2「2000」の特徴
ー スパイダー2000 走りの特長
シリーズ1のなかでも希少な1300ジュニア
この記事のために提供してくれたデュエットは英国で古いアルファを扱う「クラシック・アルファ」のリチャード・ノリスが22年にわたって愛用してきたもの。きわめて希少な1300ジュニアで、シリーズ1のなかでもとくに魅力に満ちた1台だ。
2本スポークのステアリングや黒いフロントバンパーといったスペックダウン的な装備は、これが主としてイタリアの税制に対応するため生まれたモデルであることを示唆する。
右ハンドルのジュニアは280台足らずしか生産されなかった。実際のところ、もともとデュエットは英国では数が少ない。右ハンドル市場に向けた1600は約400台、1750は600台余りが作られただけである。
デュエットは1966年、105系ジュリアの人気を背景にデビュー。サスペンションの大幅な進化によってホイール・コントロールが改善され、リアアクスルはストロークを延ばしてよりしなやかに動くようになった。それでいて俊敏な身のこなしに妥協はなく、むしろ強調されている。
これは理屈に合うものだし、実際に乗ってもそうだ。
101系より全体に洗練された印象。サーボの付いた4輪ディスクのブレーキはスムーズで信頼できる。5速になったギアボックスは高回転を好むツインカムの能力を引き出しやすい。コーナーでのロールが減り、切り始めの重さに慣れてしまえばステアリングフィールも素晴らしい。もちろん細心の注意は必要だが、飛ばしたくなるクルマである。
ツインキャブが標準になったとはいえ、ジュニアのエンジンは1.3ℓ。本領を発揮するのは4000rpmを超えてからだ。さらに6000rpmを超えると、スムーズで力強くなる。言い換えると、小排気量ならではの楽しさなのだ。
だからといってこの90psのエンジンにはまったくストレスがないし、排気量の大きなロングストローク・エンジンを積むデュエットに比べて明らかにスムーズだ。その一方、低回転では驚くほどフレキシブルで、街中の渋滞も苦にしない。
インテリアはどうだろう?