アルファ・スパイダーの系譜を探る(最終回) シリーズ3/4/916 試乗記
公開 : 2017.10.03 11:10
シリーズ4 今も人気の理由とは
シリーズ4が今なお人気なのは、パワーステアリングやパワーウインドウなど装備が充実し、しかもスタイルが改善されたからだろう。リアには164風のテールランプがすっきりと収まり、いささか繊細なインテリアもシリーズ3より遥かに魅力的だ。
今回の取材車はワンオーナーカーだったものを、93年に現在のオーナーが結婚記念日のプレゼントとして購入したという。非常に良いコンディションであることは認めるが、売りに出せば£19,000(170万円)ぐらいの値が付きそうだ。
燃料噴射や可変バブルタイミングのおかげで、シリーズ4は排ガス規制をクリアしながらパフォーマンスを維持し、ドライバビリティは多少なりとも向上。しかし明らかに煌めきを失った。
充分に快活だとはいえ、本当に飛ばしたいときのスロットル・レスポンスが鈍いのでエキサイティングには感じない。ステアリングはパワーアシスト付きとしては満足できるものだが、もっと古い105系スパイダーを知るエンスージァストを魅了するのは難しい。ひとつひとつのコーナーでステアリングがどんなニュアンスで語りかけてくるか? そこが違うのだ。
だとしたら916型のスパイダーは、そのへんの不満を払拭してくれているのだろうか?