アウディSQ5試乗 フルモデルチェンジした2017年版、「S」の原点回帰
公開 : 2017.10.06 12:20 更新 : 2017.10.06 21:11
アウディSQ5の国内試乗です。わたし、編集部員もSQ5と時間を過ごしましたが、SQ5の「味わい」がこれほどぴったりと表現されている文はないですね。SQ5の滋味を感じていただけるはずです。
もくじ
どんなクルマ?
ー アウディの「S」 原点に還る
ー 3.0ℓV6 ツインスクロールターボへ
どんな感じ?
ー SQ5 走りの特徴は「質」
ー 「優しい高性能」こそスーパーツアラー
「買い」か?
ー 「噛めば噛むほどに……」
スペック
ー アウディSQ5のスペック
どんなクルマ?
アウディの「S」 原点に還る
スポーツ性はスペックには表れない。スペックが示すのは可能性であり、どう使うかがスポーツ性の本質だろう。大きく言えば哲学、軽く扱えば嗜好の問題だが、解釈の難しい部分である。
アウディS系統が普遍的にひとつの哲学を追究していたとは考えていない。自説と思ってもらって構わないが、初代S4が登場してからの数世代は明らかにスーパーツアラーであり、頗る高いアベレージ速度を難なくこなす懐深さに軸脚があったが、プレミアム性の中にスポーツ性が組み込まれてからはトレンドに応じた志向の変化も起きていた。
それは趣味化された高性能と換言してもいい。S系統の原点とトレンドの按配はフルモデルチェンジしたアウディSQ5を考える上の要点のひとつでもある。
新型アウディQ5系のスポーツ性の象徴となるSQ5は基本ボディシェルやシャシーをQ5と共用するが、パワートレイン及び駆動システムは別設定になる。
3.0ℓV6 ツインスクロールターボへ
搭載する3.0ℓのV6は新設計となり、過給方式を従来のスーパーチャージャーからツインスクロール型のターボに変更。吸膨張比可変制御ミラーサイクルの採用など、高出力を求めながら現代のクルマらしいエコ性能も配慮された設計となっている。
駆動方式は前40/後60のトルク配分のセンターデフ式のフルタイム4WDを採用し、センターデフにはセルフロッキング機構を備える。
サスペンションには専用チューンされた電子制御可変ダンパーを用い、ドライブセレクトによりパワートレイン制御等も含めた「コンフォート」「ダイナミック」等の5つの制御モードから選択が可能。
これらはすべてSQ5のために用意されたものだが、安全&運転支援や車載ITシステムなどの次世代標準となる機能や装備の拡充もQ5同様に更新されている。つまり、特殊なユーザーを対象とした特別な高性能車ではないのもSQ5の特徴である。