アウディSQ5試乗 フルモデルチェンジした2017年版、「S」の原点回帰
公開 : 2017.10.06 12:20 更新 : 2017.10.06 21:11
「優しい高性能」こそスーパーツアラー
コンフォートモードでもダイナミックモードでも初期値が違う程度であり、タイヤのグリップ限界を試すような走り方でもなければダイナミックモードはスポーティな気分を盛り上げてくれる演出と捉えてもいいだろう。
パワートレイン制御もフットワークと一対をなす。エフィシェンシーモードやコンフォートモードで走行中の加速反応は穏やか。ゆったりとしたアクセルワークでは加減速反応は適度に鈍されている。
ただし、過給タイムラグ等の応答遅れではない。思い描いたように加減速するための予兆感を与えるような反応なのだ。
これらのモードでは急激に深く踏み込んだ時にダウンシフトを伴った急激な加速を示す。反応はいいが、エンジン回転数の変化も大きく、あまりいい気分ではない。
大きな加減速と伴う走行ではダイナミックモードではが心地よい。常用回転域を高めるとともにダウンシフトのタイミングを早める。3000rpm前後の領域を積極的に用いて、繋がりのいい伸びやかな加速を示す。登降坂を繰り返す山岳路をストレスなく走るにも有用。付け加えるならエンジン音を楽しむモードでもある。
操作や状況に神経質にならずに風景を楽しむようなゆったりとした走らせ方でも、しっかりとした加減速も必要となる走らせ方でも、どちらもさしたる緊張はない。と言うか、同じような感覚で操れてしまう。優しい高性能こそスーパーツアラーの証なのだ。