いま乗るルノー・クリオ・ウィリアムズ 93〜96年生産の「極上」の味とは
公開 : 2017.10.07 08:40 更新 : 2017.10.07 15:00
いま、クリオ・ウィリアズム1を手に入れるなら
調子の良いクリオ・ウィリアズム1を手に入れるなら、£5,000〜6,000(90〜110万円)は必要だ。走れば良いというなら、もっと安く手に入るが、コンディションが最上で走行距離も少ないとなると、かなりの出費を強いられる。
「シリーズ2と3はダッシュボートにプレートがなく、初期モデルよりコレクションとしての価値が下がるんだ。どちらもコンディションの良いものが£4,500(80万円)程度で手に入るけどね」とハートは言う。
クリオ・ウィリアズムは頑丈であり、ボディシェルも強固だが、リアのホイールアーチとシルの底は腐食しやすい。
「リアウインドウのクォーターパネルから水が入り込むので、その辺をよくチェックした方がいい。サビていればすぐ分かるから、問題があれば見ただけで判断できるよ」
重要なパーツの大半は今でも手に入るが、純正のホースや右ハンドルのパワーステアリングラックはもはや入手できない。
ルノーは1996年にこのクルマの生産を中止した。ジャック・ヴィルヌーヴの97年のF1ドライバーズ・チャンピオンシップと、同年のアラン・メニューのBTTCチャンピオンシップが、ルノー・ウィリアムズのコンビ解消前の最後の勝利となった。
レース界におけるこうした功績によってルノーはフランスの他の実用車メーカーよりも上位に立つ存在となり、その成果は歴史に刻まれ、クリオ・ウィリアズムの名はいまだにインパクトを持っている。
このクルマはかつての栄光の日々を思い起こさせるロードカーであり、その登場以来、モータースポーツファンはルノーのすべての高性能モデルに敬意を示している。ルノー・スポールはつましいモデルであったクリオをリエンジニアリングして、弾けるほどホットなクルマに仕立て上げた。
今日でも、クリオ・ウィリアムズの優れた性能とハンドリングとの巧みなブレンドは、色あせない魅力を持っている。エクステリアが控え目なため、大半の自動車ファンが追い求めるモデルではないが、クルマ通ならば誰でもほほえみを浮かべてしまうほど、完璧なハッチバックなのだ。
ルノー・クリオ・ウィリアムズのスペック
生産期間 | 1993〜1996年 |
生産台数 | 12100台 |
最高速度 | 216km/h |
0-97km/h加速 | 7.7秒 |
乾燥重量 | 990kg |
エンジン | 直列4気筒1998ccガソリン |
最高出力 | 150ps/6100rpm |
最大トルク | 17.8kg-m/4500rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |