シトロエンC3新型 構成シンプルながら仏らしく 1.2ガソリンも十分 日本試乗
公開 : 2017.10.07 10:40 更新 : 2021.03.05 21:43
「買い」か?
日本でもヒットする要素あり
こう書いてくると、結論はもうおわかりだろう。ルックスにも走り味にも独特のクセ=個性が明確だから、誰にでもオススメしますというクルマではない。けれども、もともとこういったシトロエンテイスト、あるいはフレンチテイストがお好きな諸兄には、自信をもって「買い」だと推薦できる。
さらに、これまでと違ったテイストのクルマ、あるいは周囲の人たちのとはひと味違うクルマへの乗り換えを志向している向きにも、C3はオススメできる。なぜなら新型C3は近年の多くの小型シトロエンと違って、エンジンやトランスミッションは時流に沿ったものを装用しているゆえに、乗り難いクルマではないからだ。
しかもC3、そのプロモーションからすると若い層を主なターゲットにしているようだが、実はそれだけでなく、シニア層を含むyoung at heartな非若年層にもアピールするのではないかと思う。実際、コンパクトなクルマを好む僕自身も、そのドライビングフィールにけっこう惹かれるものを感じていたりするからだ。
細かいことを言えば、白もしくは黒のボディカラーを選ぶと、インテリアカラーは必然的に赤が設定されていて、グレーを選びたくても選べないといった風に、細部の選択肢に制限があるのは、こういう自分のセンスを発揮してこそのクルマとしては、少々残念に思う。
だがそれはそれとしてニューC3、近年の小型シトロエンのなかでは異例に、日本でもヒットする要素を持ったクルマではないだろうか。現代の2CVと呼ぶほど哲学的ではないし、現代のGSと呼ぶほど画期的でもないが、現代的にしてやや軽薄な佇まいのなかに、シトロエンの小型車が持つべき何かを、確実に備えたクルマだからである。