ロードテスト(8) 日産マイクラ ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2017.10.07 12:10  更新 : 2021.03.19 11:28

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味

日産のエンジニアが言うには、新型マイクラで目指したのは、フィエスタのハンドリングとポロの快適性や洗練性を、完璧なまでに組み合わせることだったのだとか。実に野心的だが、まさに言うは易しだ。シャシーのアダプティブ制御が贅沢に過ぎる£15,000(221万円)のコンパクトカーでは、それはおそらく無理な相談だろう。

しかし、狙いをもう少しシンプルにして、ポロ以上フィエスタ未満の運動性能にターゲットを変更すれば、それなりの成功を収めているといえる。その点では凡庸だった先代とは雲泥の差だ。

このクルマには多くの強みがある。ボディコントロールに優れ、グリップは強力で、高速安定性にも秀で、乗り心地はかなりしなやかだが実に洗練され、ハンドリングは敏捷。ステアリングは気持ちよく重さも適切で、シャシー制御は控えめで唐突ではない。スモールカーがそうした属性を手に入れられるかどうかは、慎重なチューニングとその効果に依存するが、新型マイクラは明らかにそれを併せ持っている。

コンパクトカーの主戦場ともいうべき市街地では、このクルマは操作しやすく、ジャンクションやラウンドアバウトを抜けるのも直観的な心地よさを伴ってこなす。

郊外では、乗り心地の快適さとNVHの遮断ぶりで、ポロやファビア、アウディA1といった完成度の高いコンパクトハッチバックに太刀打ちできないものの、うれしくなるくらいしなやかかつ安定したフィールで、田舎道にありがちな凹凸を処理してくれる。

高速道路では、ボディの大きさは感じなくなるが、コンパクトカーとしては良好な高速域でのボディコントロールや直進安定性はそのまま残る。いっぽうでシャープなドライビングへのレスポンスにおいては、俊敏なハンドリングで、コーナーをタイトにトレースする。とはいうものの、フィエスタのようなバランスやフィール、楽しさは持ち合わせていない。★★★★★★★★☆☆

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事