ロードテスト(9) スマート・フォーフォー ★★★★★☆☆☆☆☆

公開 : 2017.10.09 19:10  更新 : 2018.01.19 23:20

 

はじめに ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術

ダイムラーのルノーとの合弁事業は、スマートブランドの生産拠点を再び二分した。2シーターのフォーツーは、クーペとカブリオレのいずれも、初代以来続くフランス・ハンバッハ工場で、4シーターのフォーフォーはルノーのスロベニア・ノヴォメスト工場で、兄弟車のトゥインゴと共に、それぞれ製造される。

しかし、先代と異なり、現行フォーフォーはフォーツーの延長版といえる構造を採用する。3.5mをわずかに下回る全長は、シティカーの水準に照らしてさえ短く、まさにスマートの名に期待されるものとなった。また、左右前輪の間にエンジンが置かれないことで、回転直径は9.1mと、一般的なコンパクトカーより1割程度縮小されている。

内燃エンジンのフォーフォーは、71psの1.0ℓ自然吸気、90psと109psの0.9ℓターボが選べる。いずれのエンジンも、後部の荷室の床下に置かれ、後輪を駆動する。このエレクトリック・ドライブでは、そこに81ps/16.3kg-mの電気モーターが搭載され、リダクションギアを介して後輪を駆動。電源となる17.6kWhのリチウムイオン電池は、キャビンの床下に配置される。その容量は、フォルクスワーゲンe-Upよりわずかに、またルノー・ゾエのベースグレードよりはるかに少ない。航続距離は、現実味が薄いとされるNEDCテストでも153kmに留まり、市販EVの水準としては際立ったものではない。バッテリー容量の小さいEVは、結局のところ市街地専用と考えざるを得ないが、このスマートはまさにそういうクルマだ。

サスペンションは、現行世代で大幅な見直しが図られた。フロントはマクファーソン・ストラット、リアはリジッドながら、リアマウントのパワートレインから後輪を駆動するためのドライブシャフトが左右へ個別に伸びるため、形式的にはド・ディオンとなる。スプリングはコイルだ。タイヤは前後で幅が異なるセッティングで、アルミホイールは標準装備。15インチがスタンダードだが、試乗車はオプションの16インチ仕様だ。

車輛重量は公称1200kgで、1.0ℓモデルより225kg重いが、e-Upよりは軽量だ。シティカーとしては重い部類なのは確かだが、べらぼうに重いというわけではない。★★★★★★★☆☆☆

 

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