ロードテスト(9) スマート・フォーフォー ★★★★★☆☆☆☆☆

公開 : 2017.10.09 19:10  更新 : 2018.01.19 23:20

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ スペック ▶ 結論

購入と維持

一見すると、フォーフォー・エレクトリックドライブはEV市場においてもっとも手頃な価格帯にあり、エコカー助成を受ければ£17,000(251万円)を切るプライスは、検討の価値ありと思える。しかし、EVのリセールバリューは今のところ見る影もない減り方をしており、それも踏まえれば、多くのユーザーにとって「手頃なEV」などというものは幻想だ。

そこでスマートは、独自の残価設定型ローンを導入し、頭金£2,000(30万円)、月々£269(4万円)で3年間乗れるプランを提供している。バッテリーのリース料は発生しないが、その支払額はマイナーチェンジしたe-ゴルフと同程度だ。41kWh仕様のゾエなら、月£59(9千円)のバッテリーリース料を含めても出費はもっと減らせる。

また今回のテストでは、航続距離150km超という公称値が疑わしいことも見えた。穏やかなツーリングであっても、最高で110km弱に留まったのだ。これでも、昨今のEVの基準に照らせば低いレベルだが、電力消費を気にせず飛ばし気味に走れば、すぐ80km程度まで落ち込む。

急速充電が最初から用意されていないのも、残念なポイントだ。今回の試乗車は7kWのAC電源でしか充電できず、サービスエリアなどに設置される32A充電器で、電池切れからのフルチャージに要する時間はおよそ90分。今年中にはオプションで三相AC充電も用意するとスマートではアナウンスしているが、それでも、長距離移動を考えればインフラ面の整備不足がネックになるのは避けられない。

価値の推移

この値落ちはどう見ても手痛いが、その幅はe-Upよりわずかながら小さく、ゾエよりははるかに価値の下落が少ない。★★★★☆☆☆☆☆☆

 

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