ロードテスト(9) スマート・フォーフォー ★★★★★☆☆☆☆☆
公開 : 2017.10.09 19:10 更新 : 2018.01.19 23:20
結論
「不出来な電動化では、問題のあるシティカーを改善することはできない」
EVの正当性は近年、革新的かつ魅力的で、十分な実用性を備えたモデル、BMW i3やフォルクスワーゲンe-ゴルフ、最新のルノー・ゾエなどによって大幅に高められた。しかし、残念ながらこのフォーフォー・エレクトリックドライブは、そうした先駆者たちと張り合えるものではなかった。
その志も能力も、このサイズと価格では限界があることは理解できる。それにしても、ダウンサイズされた都市型EVとして、われわれが期待する完璧な姿からは程遠い。
その理由はいくつも上げられるが、その多くが必ずしもEV化に起因するものではない。乗り心地とハンドリングは、シティカーの基準で見れば欠陥だらけで、キャビンは広いが、仕上げや装備レベルは価格に見合わず、パフォーマンスはまずまずだが、最新EVに期待されるほどにはエネルギッシュな加速を見せてくれない。
それらを考え併せたうえで、価格の低さや使い勝手を差し引いてみても、このクルマをおすすめする理由を見つけるのは難しい、というのがわれわれの結論だ。★★★★★★★★☆☆
担当テスターのアドバイス
ニック・カケット
後席はレディスペースと呼ばれるアレンジ機構を備え、クッションを持ち上げて自転車を積んだり、中央の小物入れを取り外したりできる。この小物入れは気に入らないが、シートは有効に活用できそうだ。
マット・ソーンダース
ロックを解除するたびに、ECUが充電を中断するのが煩わしい。せっかく払った充電料金が無駄になるし、充電が足りなければさらに£3(443円)払ってやり直さなければいけないのだ。
オプション追加のアドバイス
デザインパッケージとウインターパッケージは無視したいが、£595(9万円)でセンターのアームレストやリアビューカメラが付くプレミアムプラスパッケージは欲しい。また、£195(3万円)のデジタルラジオと、£150(2万円)の防犯装置アップデートは選んでおきたいところだ。
改善してほしいポイント
・もうちょっと内装の質感を上げてほしい。
・乗り心地とハンドリングをリファインしてほしい。
・実用的な急速充電機能のいち早い導入を。