知ってた? ポルシェ964「フラットノーズ」 元オーナーは元首 試乗記

公開 : 2017.10.07 19:10

930→964 わずか13%共通 大きな変化

964は、全体としては、930のわずか13%しか共通する部分がなかったのである。

なかでも1989年1月に導入された964のカレラ4は、極めて複雑な959/961のDNAを共有する技術的力作だった。4WDを特色とし、旧型のトーションバーサスペンションを省き、これをマクファーソンストラットとセミトレーリングアームに置き換えた、と言えばわかりやすいだろうか。

したがって、グループBの武器になったシステムを備えてはいなかったものの、928のS4由来であるボッシュのABSと高いグリップ力が自慢だった。パワーステアリングも装備していた。

当時では格段の進歩であり、コーナーで尻を振り、たちまちガードレールに突っ込むという危険が一瞬にして過去のものとなったのだ。それでもポルシェは物足りなかったのだろう。3.6ℓ空冷水平対向6気筒エンジンは、標準仕様でも254psに達していた。

その上、屋根や一部のサイドパネル及びボンネットを除いたボディは一新され、それまでのテールライトは左右にひと続きになり、リアウイングは80km/hを超えると展開。80km/h以下ではエンジンカバーと一体になる格納式電動スポイラーを搭載した。

930を見慣れていると、964のボディは、それぞれのパネルがなめらかに接続されている印象だ。それだけではない。テーマの変更に伴って、ディテールの変更点も無数に存在するのである。

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