シャンティイ・アート & エレガンス・リシャール・ミル

2017.09.10

クルマの美を競い、ファッション/アートを愛でるのが「シャンティイ・アート & エレガンス・リシャール・ミル」です。今回はフェラーリの70周年を祝いました。

text:Kazuhide Ueno(上野和秀) photo:CHANTILLY ARTS & ELEGANCE

メインフィーチャーは「フェラーリ

4回目の開催となったシャンティイ・アート & エレガンスが、その名のようにパリ近郊にあるシャンティイ城を舞台に開催された。フランスで始まった往年のコンクール・デレガンスと同様にクルマと文化とカルチャーを楽しむコンセプトが支持されて、今では世界トップクラスのコンクールのひとつに。今回は5台のコンセプトカーと、90台のクラシックカーが城の前庭に並んだ。


メインのコンクールのほか、今年はフェラーリの70周年にあたることから、メインフィーチャーとしてフェラーリのクラスが設けられた。しかしフランスのイベントらしく一筋縄ではなく、「ル・マンに参加したフェラーリ」という条件が付けられた。さらにはオープン・プロトタイプ、クローズド・プロトタイプ、250GT、365GTB/4デイトナGr.4、そしてその後のGTモデルの5クラスに分けて競われた。

2015年の第2回目から始まったボナムスによるオークションが、今年も場内で開催。拘りのコンクールに合わせた38台のマニアックな車両が用意され、盛況のうちに終了した。シャンティイ・オークションの詳細と結果についてはオークション・リザルトをご覧いただきたい。

ちなみにイベント名に付く「リシャール・ミル」は「腕時計のF1」を謳うマニアックなリストウォッチを手掛ける時計メーカーで、このコンクールの冠スポンサーを務める。創始者のリシャール・ミルは熱烈なエンスージァストで、自らステアリングを握りル・マン・クラシックなどのレースに参加するほど。この11月に鈴鹿サーキットで開かれる「サウンド・オブ・エンジン」の冠スポンサーも務めているので、その名を耳にされた方も多いことだろう。

コンクールは、新型車とファッションが対象

話をシャンティイに戻すと、今年は9月10日にシャトー全体を使って盛大に行われた。メインプログラムである新型車の美を競う「コンクール・デレガンス」は、クルマだけを評価するのではなく、コラボレーションするファッションも含めて審査されるところが往年のコンクールを意識した部分だ。審査はジャン・トッド、マルゴー・ラフィ、ポール・ベルモンド、およびジャーナリストのクリストフ・バナードが担当した。


今回コンクール・デレガンスにはルノー・トレゾア・コンセプト、シトロエンCXペリエンス、プレジデンシャルDS7クロスバック、アストン マーティンヴァンキッシュ・ザガート・ヴォランテ、マクラーレン720Sの5台が参加した。

審査は拮抗し最終的に異例となる2台にベスト・オブ・ショーが与えられることになった。1台は未来的なデザインのルノー・トレゾア・コンセプト、もう1台は現実的なシトロエンCXペリエンスである。どちらもEV/PHVのコンセプトカーとして2016年のパリ・サロンで発表されているが、屋外で自走する姿は初公開となる。昨今のクルマに対する社会的な動向も考慮してベスト・オブ・ショーに選ばれたものと思われる。

クラシックモデルは別カテゴリーで

一般的なコンクール・デレガンスでは、クラシック/ヒストリックカーを主な対象として審査するが、往年のコンセプトで行われるシャンティイでは新旧別のカテゴリーに分けるのが特徴だ。クラシック/ヒストリックカーはコンクール・デタと称され、ベスト・オブ・ショーは戦前と戦後の車両からそれぞれ選ばれる。

通常のクラス分けとしては、コンクールの花形といえるブガッティ57を始め、戦前と戦後のアルファ ロメオ、フランスのコーチビルダーといったメジャーなものから、20世紀初頭の電気自動車クラスや、チェーンドライブ・レーシングカー・クラス、ミュージシャンが所有したクルマなど20ものクラスが設けられている。

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