セアト・イビーザ・クプラ
公開 : 2013.01.25 19:17 更新 : 2017.05.29 18:44
■どんなクルマ?
セアト・イビーザのスタンダード・モデルのフェイスリフトに合わせて、ホット・バージョンであるクプラも新しくなった。最新のイビーザ・クプラは、従来のイビーザに較べると、新しいノーズと、リア・ライト、そして刷新されたインテリアを持つ。
関心が集まるのがそのパフォーマンスだ。実際のパフォーマンスは、0-100km/hが0.1秒短縮された6.9秒に、そして最高速度は3km/hアップした229km/hになっている。それでいて燃費は1.5km/ℓ向上した17.0km/ℓとなり、CO2排出量も9g/km下がっている。
ナビゴン社で開発されたセアト・ポーターブル・システムはスタンダード装備となる。これは、脱着可能なナビゲーション・システムで、ブルートゥースとの接続も可能なものだ。
■どんな感じ?
それまでの1.4ℓツインチャージ・エンジンも印象的であったが、セアトのエンジニアはさらに磨きをかけてきた。そのピーク・トルクは2000rpmで発生し、レッドラインまでそのままとなる。フォルクスワーゲン・グループの7速DSGギアボックスとの組み合わせによって、素早いオーバーテークも可能だ。
一方、低い速度域では、クプラは驚くほどスムーズに走る。ギア・チェンジはクイックで、オートマティック・モードでも何の問題もない。
しかし、ステアリングは、残念なことに最終的な精度が不足しており、若干調和にかけるフィーリングがある。
新しいベアリング構成となり穏やかな味付けとなったリア・サスペンションのセットアップは良好だ。ロング・ランでも寛大で、スペインの道でも非常に滑らかな乗り心地を示してくれた。
確実なことは、クプラがハード・コーナリングでタイトなコントールを持つフロント・エンドを得たことた。内側のホイールにブレーキを掛けるXDS電子ディファレンシャルはアンダーステアを確実に減らしてくれる。
サスペンションとステアリングの変化は、クルマがシステムとして向上しているのがわかる。特にESPの効果が認められる。
テスト・モデルは赤いキャリパーを持ち、標準のΦ288よりも大きいΦ312のAP製の4ピストン・レーシング・ブレーキを持っていたが、充分すぎるほどのストッピング・パワーを示してくれた。
ちなみに、クプラのメカニカルな面以外のスタンダートなモデルとの違いは、前後のバンパー、リアの中央のエグゾースト、アロイホイールとスポーツ・シートだ。セアトのデザイナーが素晴らしかったことは、ライバル・モデルに見られるような太すぎるステアリング・ホイールを採用しなかったことだ。
■「買い」か?
ホットハッチをどう定義するかにかかっている。繊細さとパワーを望むのなら、ルノースポーツ・クリオやスズキ・スイフト・スポーツのほうがよい選択かもしれない。しかし、日常のユーティリティについてはイビーザ・クプラの方が優れている。乗り心地、造りの良さ、そして快適性だ。
しかし、ホットハッチは最大限の興奮をもたらすという使命がある。そういった意味に於いては、イビーザ・クプラは少々力不足かもしれない。
(スチュアート・ミルン)
セアト・イビーザ・クプラ
価格 | 18,570ポンド(265万円) |
最高速度 | 229km/h |
0-100km/h加速 | 6.9秒 |
燃費 | 17.0km/ℓ |
CO2排出量 | 139g/km |
乾燥重量 | 1259kg |
エンジン | 直列4気筒1390ccターボチャージャー+スーパーチャージャー |
最高出力 | 178bhp/6200rpm |
最大トルク | 25.4kg-m/2000rpm-4500rpm |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ・オートマティック |