マツダ「SKYACTIV-X」なぜ注目? 新プラットフォームも検証 試乗記
公開 : 2017.10.10 15:00 更新 : 2017.10.11 00:55
どんな感じ?
まだまだ開発「進行中」 ポテンシャルあり
今回はマツダ所有の「美祢自動車試験場(旧MINEサーキット)」内の特設コースでのチョイ乗り試乗にとどまったが、エンジンの感触はなるほど2.0ℓガソリンとしては低速トルクが太い感じはあった。
加速時の音質にわずかにディーゼル感があったのは事実だが、音量や振動の絶対値は普通のガソリンエンジンに遜色ない。
ただ、エンジン単体での震動騒音はやはり通常のガソリンエンジンよりは確実に大きいのだそうで、このプロトタイプの静粛性は、新世代プラットフォームによるところが大きいらしい。
新世代プラットフォームは、スカイアクティブXを前提にエンジンルームをカプセル化しており、エンジンノイズを封じ込めるとともに、スカイアクティブXに不可欠な緻密なエンジン温度管理を助けるのだとか。
面白いのは、回転の途中にいくつかのステップで、レスポンスや震動に「段付き」の変化があったことだ。昔のホンダVTECというか、なにかのスイッチが切り替わったかのような感触だ。
聞けば、それは負荷や走行状態に応じて、自己着火と通常着火が切り替わっている瞬間らしい。もちろん、このまま市場に出すつもりはなく、この段付きは商品に向けて解消されるべき課題だそうだ。
レブリミットは現行2.0ℓと同じく6500rpmほどだが、高回転域での伸びがあまり芳しくなかった。ただ、それは自己着火由来のものではなく、現状ではプロトタイプゆえの安全策の側面が大きい。
商品化のあかつきには「自己着火だからといって、高回転域が普通のガソリンエンジンに劣るわけではありません」という。
シャシーの感触もまだまだプロトタイプの未完成な部分が多かった。ただ、ステアリングの利きは現行アクセラよりさらに強力になっていた点と、上屋の動きは徹頭徹尾フラットに安定していた点に、次世代マツダのポテンシャルが現われていた気がする。