ロールス・ロイス新型 ファントムVIIIに試乗 そもそもの思想、異なる
公開 : 2017.10.13 12:40
機敏ではないが精確 室内は静寂のひとこと
十分なスロットルレスポンスも確保している。アクセルペダルのストロークは長く、思った通りに滑らかに加速する。ステアリングも軽いが、ブレーキペダルには理想的な踏み応えがある。
ロールスのエンジニアは、都市交通での発進/停止時の安楽さについて相当な時間を費やして研究している。そのため、瑞々しいコントロール感覚で、驚くほど楽に、魅力的に、スピードを選ばない運転が可能だ。
ボディサイズと軽いステアリングのために、少しダルに感じられるかも知れないが、ステアリングは十分に正確だ。
乗り味は、静寂に包まれたもの。新型の車内は、前モデルよりも6〜7dBほど静かになっている。数値だけではどれほど静かになったのかわかりにくいが、ロールス・ロイスは75%ほど静寂性を高めたとしている。
つまり後席に座っている子供がひそひそ話をしていても、フロントシートの大人には話が聞こえてしまうほど。間違いなく、並はずれたものだ。
乗り心地も同様。すべてを優しくいなす魔法の絨毯のような乗り心地は、あらゆるニューモデルが夢見るような上質なもの。
シャシーの反応はさほど良くないが、十分なコントロール性を得ている。しかしこのクルマの場合、正確にステアリングを操作し、安楽にスムーズな運転を楽しめるか、という点が喜びの本質だろう。そして、一聴の価値のあるステレオシステムも備わっている。