回顧録(6) パガーニ・ゾンダFに試乗 価格高騰、「狂気」が理由?
公開 : 2017.10.14 10:10 更新 : 2017.10.14 11:22
タフなクラッチと美麗なインテリア
ゾンダというクルマ、そのある1カ所に関してはスーパーカーの伝統に忠実だ。すなわち、クラッチが重たいこと。
かつて’80年代初期のカウンタックのクラッチペダルに関する記述(ストロングマン・コンテスト優勝者のジェフ・ケイプスを引き合いにだした比喩表現が使われていた)を読んだことをアリアリと思いだす。
昔のスーパーカーと変わってないところもあるわけだ。
実際、ゾンダのクラッチペダルを踏み込むのはそれだけで十分エクササイズになるくらいのタフな仕事だ。でも、ギアレバーの手応えに関しては違う。
シフトはもっとキレイに決まるしレバーのストロークももっと短いし、それからもっとキッチリ丁寧にシフトできるようになっている。操作することに伴う喜び、という点でもこっちのほうがはるかに上だ。
ゾンダFのインテリアがどんなだったか説明されたとしたら、きっとそれはヒドいものに思えるに違いない。キルティングの入った真っ赤なレザーとムキだしのカーボンファイバーと大量のウッドパネルとこれまた遠慮なくあしらわれたアルミニウム等々によってトリムされた室内が全体として破綻なくまとまっているなんて、説明だけきいたらとても信じられないだろうから。
ホラチオ・パガーニがいったいぜんたいどういうテクニックを駆使したのか僕にはまったくわからないけど、ウソでもなんでもなく実物はちゃんとまとまっている。