フォルクスワーゲンT-Roc 日本導入前に評価 走り、ホットハッチ的
公開 : 2017.10.20 11:40
どんな感じ?
英国はガソリン/ディーゼル2本立て
全てのエンジンはターボで過給される。
ガソリンエンジンは3種。
・114ps仕様の3気筒1.0ℓエンジン
・新しい149ps仕様の4気筒1.5ℓエンジン
・189ps仕様の2.0ℓエンジン
ディーゼルエンジンのラインナップは
・114ps仕様の1.6ℓエンジン
・149ps仕様と189ps仕様の2.0ℓエンジン
ガソリンとディーゼルのグレードの付け方とその出力は両者で同じである。2車種用意される189ps仕様は、4輪駆動と7速デュアルクラッチ変速機を標準で備える。2.0TDIの小パワー仕様は、DSGがオプションである。
なお、このクラスで常識的な安全装備は標準で備える。駐車時の注意喚起か自動駐車システム稼動時くらいが、その使用される想定。パーキングセンサーは、コーナーのエア・ベント(っぽく見せたデザイン)やフロントのLEDデイライトのなかに巧みに隠されている。
見た目と感じ方が、不自然に異なるのがインテリアである。
シート、カーペット、ルーフライニング以外の全ての表面は、素材を巧みに使い、その形や建て付けが見事に調和しているのであるが、硬いのである。
T-Rocの内装を観ていると、ソフトタッチと高品質を同次元で語るのは、もう考えが古いのかとさえ思える。若い世代の購入者はそんなことは気にもしない。考えてみれば、iPhone8には、パッドは入っていない。
室内は居心地がいい。ウインドウ下端が高く、窓の上下長が短いから「囲まれ感」があるからだろう。
しかし一方で、ボンネットにある目印を頼っても、狭い場所では、このクルマの横幅を認識することが簡単ではない。シート・ポジションやステアリングを上げることはできる。しかし、T-Rocのあちらこちらで感じられる、スポーティさは損なわれる。
今回の試乗車は、全て2.0 TSIエンジンを搭載したトップ・モデルである、T-Rocスポーツだ。
12月に予定されている英国における導入時の価格は、およそ£34,000(500万円)。エントリー・モデルの1.0TSIの£19,000(280万円)と比べると、相当な価格の開きが存在する。これは、同サイズのアウディQ2の同程度のグレード間の価格の開きよりも大きい。
試乗車に提供されたクルマが全てガソリンエンジンであったことは、市場がディーゼルから離れていることと、フォルクスワーゲンが、例のスキャンダルを過去のものとしたいという意図が感じられる。
ここでひとつはっきりさせておこう。