フォルクスワーゲンT-Roc 日本導入前に評価 走り、ホットハッチ的
公開 : 2017.10.20 11:40
2.0ℓガソリン 走りはホットハッチ的
ここでひとつはっきりさせておこう。
少なくとも、最高位グレードにおいて、T-Rocは素晴らしいクルマである。
回すほどその応答性が次第に速くなる、可変レシオ・ステアリングは、タイトなワインディングで、このクルマの挙動をダイナミックなものとする。
225/40R19という大きなタイヤから得られる、グリップも相当なものである。のぼりのワインディングでアクセルを踏み込んだ時のパワーのデリバリーも特筆すべきものだ。剛性は非常にしっかりしており、その恩恵で乗り心地は程度にしなやかでありながら、安定している。
ダンパーには4つのモードが備わるが。ノーマル・モードが本命である。通常SUVでは、求めるまでもないが、ダイナミックな走りやワインディングにおける収まりのよさに貢献している。SUVのGTIとはよくいったもので、赤色のキャリパーを持つスポーツなら、なおさらである。
エンジンは、いつも通りスムーズで、トルクも十分。ターボラグは実質的に皆無である。DSGのオートマモードのシフトもスムーズ。ドライバーの心を読んでいるかのように最適なギアを選択する。
コレにも、スポーツ・モードがあるが、エンジンのキャラクターを過剰に演出するだけで実利はない。ステアリングの裏側に小さなパドルがあり、マニュアルでシフト操作をすることもできるものの、同じく、子どもだまし程度のものだ。
4輪駆動システムは、路面によってモードを選択でき、坂道発進アシストも備える。
室内には若い家族や2組のカップルが余裕で乗車できる空間が存在し、パワー・アシスト付のテール・ゲートから望むトランク・スペースは十分である。T-Rocは、運転しても楽しく、実用的でもある。