成功? 失敗? 「サブブランド」28社 一刀両断(前編)

公開 : 2017.10.21 06:10  更新 : 2017.10.21 09:49

スターリング(ローバー):1987〜1991

決して褒められないその組立品質にも関わらず、長年にわたり多くの英国ブランドが米国で隆盛を誇ってきた。

そのうちのひとつがローバーである。しかし、ほどなくしてアメリカ人もその見掛け倒しの品質に愛想を尽かしたため、新しいブランドが必要となったローバーが1987年に設立したのがスターリングである。

唯一のモデルが800シリーズであり、ホンダとの提携のもと生産された。

スターリング・ブランドの開始に伴い、カー&ドライバー誌が大胆にも見解を披露した。「コンコルド以外には、イングランドからこれ程素晴らしい組立品質を持った製品が輸出された事は無い」ローバーはこのコメントを大変気に入り、写真のとおり広告にも用いた。

しかしコンコルド同様次第にその評価を落とし、組立品質と信頼性の低さが明らかとなっていった。名誉ある撤退を決断し、1991年に最後のスターリングが販売されるまでの4年間で、実に4万台以上が大西洋を渡った。

遥かに素晴らしい出来栄えのアキュラ・レジェンドと多くの部品を共有していた為、今でも数百台が米国の路上を走っており、スターリング・ブランドには少数ながら謎めいたカルト的なファンがいる。

現在でもローバーは米国において憧れのブランドであり続けているが、それはローバーの前に「ランド」や「レンジ」が付く場合に限られる。

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