ゆれるVWの今、これから CEOマティアス・ミュラー 独占インタビュー

公開 : 2017.10.21 11:10  更新 : 2017.12.14 12:37

「ディーゼル問題」以降、フォルクスワーゲンに対して、いまだ複雑な気持ちを抱いている読者は多いでしょう。当然です。AUTOCARは同社CEO、マティアス・ミュラーに独占インタビューを敢行しました。少しニュースの見方が変わるかもしれません。

text:Steve Cropley(スティーブ・クロプリー)

もくじ

45分 さて、何を聞くべきだろうか
あのとき、何があったのか
EVについて、何を思う?
なぜVWはそれでも売れるのか
VWで戦うことにした理由
粘りの一問一答 引退の話も

45分 さて、何を聞くべきだろうか

フランクフルト国際モーターショー初日の午前9時、恐らくフォルクスワーゲン・グループの今後2年間を左右する最も重要な場だ。わたしはフォルクスワーゲン・グループCEOであるマティアス・ミュラーとの45分間の単独インタビューに向かっている。これは彼が英語で行う唯一のインタビューとの事だが、なぜわれわれが選ばれたのだろう。恐らくわれわれの広範な取材活動と、その見識深いウェブサイトに魅了されたからだと思う事にした。

インタビューで質問したいのは、昨夜ミュラー自身が発表したロードマップEと呼ばれるフォルクスワーゲンの2025年までの長期計画についてであり、フォルクスワーゲンはこの計画を自動車産業における最も包括的な電動化イニシアティブであると自称している。もちろんディーゼル問題についても話は及ぶことになるだろう。世界を揺るがした衝撃のニュースであり、まさにそれだけの影響をもつものだった。

2025年までにフォルクスワーゲン・グループは80の新たなEVを発売する予定であり、2030年にはその数は300にまで増やす。£180億の巨費を投じてe-モビリティの事業化を進め、更には近々「自動車産業に変革をもたらす」ために必要な£450億相当ものバッテリーの入札を行う。

ここでミュラー自身の少々大胆な発言を紹介しよう。

「わたし達に求められているものを理解し、それに対応していきます。これは曖昧な意思表明などではありません。今日からわれわれの評価基準となる自分たちに対するコミットメントなのです」

お堅いインタビューを想像していた。ドイツの企業経営者はたいてい形式を重んじるからだ。われわれには取材したいトピックスがある一方で、トップリーダーには守るべき尊厳がある。

だからこそ、われわれはインタビューの場へ通されたとき、廊下の壁にゆったりともたれ掛かって雑談するミュラーの姿をみて驚いたのだ。

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