ゆれるVWの今、これから CEOマティアス・ミュラー 独占インタビュー
公開 : 2017.10.21 11:10 更新 : 2017.12.14 12:37
粘りの一問一答 引退の話も
ディーゼルの未来
「ディーゼルの販売は続くと考えています。なぜなら、第1にクリーンであり、第2にCO2排出量の削減目標を達成するには必要な存在であり、第3に多くの顧客にマッチしているからです。ですから、最も小型のモデルを除いては、今後もディーゼルの販売は継続しますし、2019年か2020年には新世代ディーゼルへの投資も予定しています」
自動運転
「最初のステップは自己所有のクルマではなく、都市部を走るタクシーと宅配車両から始まるのではないかと思います。なぜならこういったクルマは走行スピードも低く、何といってもドライバーのコストがサービスに占める割合が高いからです。それから数年経って、システムの完成度が上がり、早い速度域までカバーできるようになれば、その時にはいよいよ自動運転が普及期に入るのではないでしょうか」
グループの中期見通し
「われわれの過去の成功はモデル構成によってもたらされたものです。そしてまさにこれが将来への回答となります。非常に幅広い魅力的な商品群があり、コンセプトカーが今後5年かもう少し先までの道筋を明らかにしていますから。ですから上手く宿題をこなす事さえできれば、成功できると信じています」
財務状況に対する罰金の影響
「米国への$200億の罰金の影響ですか? もちろんあります。そんなお金があったら今すぐポケットに入れたいくらいです。そんなことはしませんが。それでもなお、フォルクスワーゲンは非常に強固な会社であり、全ての新たなプロジェクトに対して資金を拠出する事はできます」
「グッドガイ・クラブ」への再加入
「状況は変化していますが、まだまだ先ですね。われわれには現在の状況がいつ終わりを迎えるのかはわかりませんが、この問題が解決されるまでにはまだ数年、もしかしたら10年掛かるかも知れません。この状況が進展していく事で、信頼を取り戻す事ができるでしょうか? それも今は何とも言えません」
英国のEU離脱
「この件についてお話できる事はありませんが、ひとつ言えるのはわたしはヨーロッパ人だという事です。イギリス人は自分たちが望むことをやるべきだと思いますよ」
引退
「3年か5年、フォルクスワーゲン・グループを率いた後に引退する事になるでしょう。わたしが引退するまでには顧客と規制当局からの信頼を取り戻し、次の10年に向けての準備ができていれば良いなと考えています」
後継者
「次のCEOには、全てを変える必要が無く、今われわれが行っている決断をそのまま引き継いで貰えるようにようにして、バトンを渡したいと考えています」