BMW、より上流志向へ デザイナーとマーケターが見据える未来とは?
公開 : 2017.10.22 08:10 更新 : 2017.12.14 12:31
BMW、上流移行を目指す
「BMWグループにはふたつのことが同時に起こりました」とBMWグループのデザイン部門を率いる、エイドリアン・ファン・ホーイドンは、ことの発端をそう説明する。
「まず、われわれはトップレンジをさらに拡大したいと、ずっと考えていました。まだまだ伸びしろがあると確信しています。現にわれわれの顧客はトップエンドの商品をますます欲しがっています。そしてほとんど同時に、われわれは8シリーズやX7のような新しいクルマを開発し、2018年にはZ4などを含む新型車を次々に展開していきます」
「実際、ここ1年半ほどの間に6ないし7シリーズの新型車を発表します。わたしがこの会社に来て以来、短期間にこんなにたくさんの新車を出したことはありません」
これほど多くの新モデルを次から次へと開発することを、「チャンスだと考えています。1年半で6車種を展開すれば、ブランドを大きく進化させることができるからです」とホーイドンク。
「いいタイミングだとも思うんです。これまでかなり順調でしたから。しかし、動き続けなければならない。いいカモにはなりたくありませんからね」と冗談も交える。
会社をいいカモにしないようにすることは、BMWの商品管理兼ブランド・チーフのヒルデガート・ウォルトマンのやる気の源でもある。
「BMWのような強いブランドは、常にフレッシュで、オリジナリティがあり、とんがっていなければならないんです」と彼女は言う。
1998年にBMWにくる前、ユニリーバとカルバン・クラインで経験を積んだブランドの専門家であるウォルトマンは、「常にフレッシュである」「オリジナリティがある」「とんがっている」というBMWブランドの三箇条を管理監督してきた。
そして商品開発プロセスに積極的に参加し、新車の中身にも大きくかかわるようになった。
三箇条は、iブランドのクルマや新たな方向性のラグジュアリーカーなど、BMWの主力車種に当てはまる。