ジャガーE-PACE試作車、試乗 クロプリー英国編集長が助手席で

公開 : 2017.10.23 11:40  更新 : 2017.10.23 12:58

(番外編)できること、に挑む

セダンよりSUVの方が売れるようになるとかつて考えていたかと問われ、「いいや」と答えるのはデザイン・ディレクターのイアン・カラムだ。

先に発売されたF-PACE同様、E-PACEはジャガーができることの限界に挑んでいるし、近々登場する電気自動車のI-PACEについて言えばなお一層だ。

それでもどのクルマもしっくりくるのは、「スポーツカーの特徴を取り入れたSUVへとシフトしているから」だとカラムは言う。

ジャガーはまずF-タイプのコンセプトを受け継いだSUVを投入することになる。ラインナップにスポーツカーが並んでさえいれば、どれだけSUVを増やそうともスポーツカーメーカーだと胸を張ることができる。カイエンやマカンを売り出すポルシェを代表する911という名車が、ポルシェをれっきとしたスポーツカーメーカーたらしめているのと同じだ。

カラムは、「わたしがジャガーに入ったときはポルシェの初代カイエンが出る前でしたが、SUVを作る予定があるかと聞かれたことがあります。その時はスポーツカーメーカーとして、われわれのDNAにはないからノー答えたんです」と教えてくれた。

さらに、「まずはその基盤を整備しなくちゃいけない」と言ったそうだ。つまり、SUVの前に、スポーツセダンとスポーツカーを世に送り出すべきだと考えていたのだ。

XE、XF、XJといったグレードのモデルに次いでF-タイプが登場し、「その次に着手するのが自然だと感じました」とのこと。

「誰かに説得されたわけではなく、ひとびとが何を欲しているかに耳を傾けるようになりました。例えばクリニックのひとびとはSUVを買いたいと言っていたんです。いまやF-PACEはジャガーでもっとも成功したクルマですね」と彼は続ける。

ならば、創業者のウィリアム・ライオンズ氏はE-PACEをどう評価するだろうか?

カラムは、「ウィリアム・ライオンズだったら間違いなく気に入るはずです。彼はクルマとトラックは命あるモノを作り出すのと同じことだと言っていたぐらいなんですから。われわれよりだいぶ前から、クルマは時代の流れに沿うべきだとわかっていたんです。それを理解しているひとはそう多くはないですよ」とカラムは締めくくる。

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