フェラーリを買ったらどうなる? 「関係者」8名の証言 (回顧録11)

公開 : 2017.10.29 06:10

証言1:「まだフェラーリ歴8カ月なもので」

名前

アレッサンドロ・ポリ

所有車

名前からしても、アレッサンドロ・ポリがどこの国籍の人間なのかだいたい見当が付きそうだが、それでわからないひとは彼のガレージを覗いてみればいい。彼のフェラーリの隣にはランチア・イプシロンとピアッジョ・ベスパが並んでいる。

「多少の愛国心は持ち合わせていますからね。たとえそれがフィアットの血が入ったモデルでも、わたしは子供の頃からフェラーリが欲しかったのです」

ポリは当初イタリアで安い328を探すつもりだったらしいが、4万6000km走行の左ハンドル仕様約500万円也を偶然イギリスで見つけてしまった。

「’88年型とは思えないほどとても手入れが行き届いていました。それと、元々イタリアで登録されたクルマでしたから、将来イタリアに持って帰るのに便利かなと思って」

アレッサンドロは購入後8カ月間で5000kmを走ったが、その大半はスコットランドへの旅行で刻まれた距離だ。

「この手のクルマを買ってガレージに飾っておくのはナンセンスですからね。最初は低いコックピットに乗り込むのに苦労しました。もちろんお約束の雨漏りもたっぷり経験させてもらいましたし。でも長距離の旅行用に使うなら、新しいフェラーリよりも328の方が適していると思いますよ。なぜって、まともなトランクがありますからね」

そう言う彼も328の今後の耐久性についてあまり自信がなさそうだった。

「電装系が特に心配かな。スイッチ類がヤワで、パワーウインドウもたまに不調になる。でもわたしが328を選んだ理由のひとつは、これが348などと違って横置きエンジンだからです。エンジンを下ろさなくてもカムベルトが交換できるのでそう大きな負担は強いられないでしょう」

そして今のところ、電装系以外に大きなトラブルの予兆はないという。これまでに発生した唯一の故障らし故障はリトラクタブル式ヘッドランプのモーターだそうだ。

アレッサンドロの328は5000kmを7.4km/ℓというまずまずの燃費で走り、オイルも1ℓしか消費していない。この好調ができる限り長く続かんことを!

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