フェラーリを買ったらどうなる? 「関係者」8名の証言 (回顧録11)
公開 : 2017.10.29 06:10
証言2:「12気筒の方が丈夫ですよ」
名前
ケビン・ジョンソン
所有車
1999年型456M GT/2004年型360 CS
4シーターのフェラーリというと、純粋主義者の嘆きが聞こえてきそうだが、ケビン・ジョンソンは迷わず456を選んだ。
「わたしにとってフェラーリを所有するということは、自分がクルマ好きであることの表現手段。で、わたしには家族がいますから、家族全員が乗れるモデルが欲しかったと」
その後、456に加えて360モデナを買い、それが去年チャレンジ・ストラダーレに代わった。
「わたしはフェラーリで年間1万2000kmほど走ります。456とチャレストでだいたい半々かな。動かさないでおくと調子が悪くなりますからね。V12のランニングコストが高すぎると言うひともいますけど、少なくとも456はわたしがこれまでに所有したクルマの中でも信頼性が高い部類に入ります。とはいえ、もしリセールバリューの低下までランニングコストに含めるなら、4シーターのフェラーリは最悪です。それを除けば、このクルマのオーナーでいることは本当に幸せですよ」
訊けばガソリン代も含めてジョンソンは年間約60〜80万円を456M GTに費やしている。
「走行距離無制限の保険が20万円、メンテナンスに20万円、そして毎年少なくとも10万円を将来の修理のために積み立てているのです」
彼の456は平均燃費5.0km/ℓで走る。これまでにかかった費用のトータルは約324万円で、そのうちの200万円はメンテナンスと修理に費やされたものだ。
「みんなそれを聞いてぞっとすると思いますけど、世間で言われているほど壊れないし、わたしはラッキーだったと思っていますよ。わたしのクルマは後期型だから、初期型で発生したトラブルがすでに改善されていますしね」
V8とV12、両タイプのフェラーリのオーナーとして、ジョンソンは2台を比較できる立場にいる。
「V8の方が壊れやすい気がします。モデナのときは電装系のトラブルとトリムの劣化に悩まされたし、チャレストはオルタネーターが弱くてすぐにバッテリーが上がってしまう。なんやかんや言って12気筒の方が丈夫ですよ」